PMFとは?達成までのプロセスや検証方法、成功事例5選を詳しく解説!

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スタートアップや新規事業の立ち上げには、成功の可能性を少しでも高めるためにあらゆる工夫をする必要があります。

その一環として、近年重要視されているのが「PMF(プロダクトマーケットフィット)」です。
PMFは「商品やサービスが消費者のニーズにマッチし、正しい市場にいる状態」を意味します。

ビジネスとしては当然の指標とも言えますが、新規事業や事業再生などに取り組む際、PMFに至る方法が体系化されていないばかりに、ビジネスが上手く軌道に乗らないケースも数多くあります。

また、PMFする前とPMFした後では、周囲を取り巻く環境が激変するとも言われています。

本記事では、PMFとはどのような状態なのかを解説しながら、達成するまでのプロセスや、PMFを達成した成功事例も合わせてご紹介します。

これから新規事業立ち上げや新規プロダクト開発に取り組む企業は、ぜひお役立てください。


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PMF(プロダクトマーケットフィット)とは?

PMFとは何か?その成功事例も含め検索している。

PMFとは、「Product Market Fit(プロダクトマーケットフィット)」を略した言葉です。

「プロダクト(商品やサービス)がマーケット(市場)にフィット(適合)している状態」、つまり商品やサービスが顧客のニーズを満たし、特定の需要のある市場に適合しているという状態を指します。

アメリカのソフトウェア開発者であり投資家のMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏が広めた概念です。

PMFでは「顧客満足度の高いサービス」と「最適な市場で受け入れられること」の双方が揃っている状態で初めてスタートアップが成功するという考え方が基本となります。

このPMFの達成がプロダクトの販売成績に影響を与え、現代のビジネス環境において新規事業の立ち上げやスタートアップ企業成功の重要な鍵であると言われることから、多くの企業が注目している指標です。

PMFの前段階:PSF(プロブレムソリューションフィット)

PMFに至る前段階の重要な指針として「PSF(Problem Solution Fit(プロブレムソリューションフィット)」というものがあります。

PSFとは「顧客が抱える問題・課題を解決する商品やサービスが提供されている状態」を指し、PMF達成のためにはまずPSF状態の確立・実現が必要不可欠とされています。

そもそも顧客の問題・課題を解決できる商品・サービスを提供できない状態では、正しい市場を見極めることも、顧客のニーズを満たすこともできないため、PMFを達成することは難しくなります。

PSFを達成した上で、適合する市場を見極め、その市場で実際に商品やサービスを提供するというのがPMFです。

まずはこのPSFを確立した状態で、適切な市場、つまり商品・サービスの需要がある市場を見極め、その市場で実際に商品やサービスを提供するのがPMFなのです。

顧客のニーズや課題を分析・検証し、自社ができる解決策を考えていきましょう。

PMFを達成することの重要性

スタートアップや新規事業の成功にPMFは必要不可欠な判断指標です。

PMFを達成できていない場合、どんなに顧客の課題を解決できる優れた商品・サービスを開発しても、お金を払って購入したいと思う顧客がいない=売れないというネガティブな状態です。

そうした状態を改善し、新規事業の立ち上げや新規プロダクト開発の成功確度を高めるため、近年多くの企業がPMFの重要性に着目し、その実現に取り組んでいます。

ここでは、スタートアップにおけるPMFの重要性を2つご紹介します。

  • 市況の変化に伴った消費者のニーズを正確に捉えられる
  • 顧客のニーズを満たす商品・サービスを作り出せる

それぞれ見ていきましょう。

市況の変化に伴った消費者のニーズを正確に捉えられる

消費者ニーズの多様化、コロナ禍における影響に伴い、現代の市場は複雑かつ高速化しています。

日々変化と増加を続ける市場を見極め、その中から適切なものを選択し、消費者が満足する商品・サービスを提供する必要があるのです。

この時リサーチ不足により適合する市場の選択ができず、市場に受け入れられなかった場合、どんなに優れた商品やコンテンツ、サービスであっても実績を上げることができず、売上も伸び悩む結果となってしまいます。

価値観の多様化が進む現代の市況の消費者ニーズを正確に把握するためにも、PMFは非常に重要な要素の一つと言えるでしょう。

顧客のニーズを満たす商品・サービスを作り出せる

スタートアップや新規事業の立ち上げには、売れる商品やサービスが必要不可欠です。

しかし、自社がどんなに魅力的な商品・サービスで顧客にとって役立つだろうという商品を開発しても、市場の選択に失敗してしまっては理想としていた成果を得ることはできません。

このような失敗は、PMFを達成できていないことで起こります。選ばれる製品を生み出すためにも、市場ニーズの調査を行い、しっかりとPMF達成のステップを踏んでおく必要があるのです。

顧客へのヒアリング調査で得た情報は、プロダクトをより市場ニーズに適した状態へと改良するヒントになります。

PMFの実現により顧客満足度が高まり、口コミ評価で売上が伸びるという良い循環が生まることもあるでしょう。


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PMF達成までのプロセス

PMFを達成するまでのステップを細かくクリアしていく。

PMFを実現するためには、次のようなプロセスを踏んで事業を進めていく必要があります。

  • 市場のニーズと評価を検証する
  • ターゲットとなる顧客に対して解決策を提案する
  • 効果検証と改善を繰り返し行う

一つずつ解説していきましょう。

市場のニーズと評価を検証する

PMF達成のためにはまず、以下のような点を理解することが必要です。

  • 市場においてどのような商材やサービスが求められているのか
  • 消費者がどのようなコンテンツやプロダクトを求めているのか
  • どのくらいの金額が適切な金額だと感じるのか

こうしたニーズを的確に捉え、理解しておく必要があります。

ヒアリング調査やNPS、リテンションなど、さまざまな角度から顕在的・潜在的ニーズの検証を実施し、PMFが達成できているかの把握に努めます。

一般的に新規事業の立ち上げや新規プロダクトの開発は、こんな課題を持つ人がいるのでは?という仮説を立てるところから始まります。

まずは仮説の実証のために、商品やサービスがどの程度市場で受け入れられ、顧客の課題を解決できているかを十分に検証してから本格的なリリースに入ることが大切です。

ターゲットとなる顧客に対して解決策を提案する

自社の商品やサービスにフィットしたターゲット顧客を見極め、的を絞ることができたら解決策の提案へと移行します。

ここで言う「解決策」とは、「自社の商品・サービスを使うことで、あなたの抱えている課題は解決できますよ」とアピールすることです。

アピールがしっかりと届けば、課題を抱える顧客が集まり、「PMF=商品やサービスが顧客のニーズを満たし、特定の市場に適合しているという状態」に近づき、

その商品・サービスに対する需要を、未だ課題に気づいていない層に喚起することにもつながる可能性があるでしょう。

そのためにも、まずは実用に要する最低限の機能を実装した試作品の開発を行います。
この試作品はMVP(Minimum Viable Product)と呼ばれ、プロダクトの仮説検証を目的としたプロトタイプとなります。

MVPは単に機能を最小限に絞るというだけでなく、ターゲットとなる顧客が求める価値を実際に試せる機能を実装していることが重要です。

商品やサービスが市場に受け入れられるのかを判断するため、MVPの利用を通して顧客の反応・感想・評価といったフィードバックを得ていきます。

効果検証と改善を繰り返し行う

一度PMFが達成できたと判断しても、まだ終了ではありません。

本格的に経営資源を投下して商品・サービスの拡大を図り、理想としている課題解決につなげるには、継続して検証を行うことが大切です。

特に現代のビジネス市場は変化が目まぐるしく、消費者のニーズも変わりやすい傾向にあります。

多様なニーズに合わせて変化する市場や競合他社の参入に都度対応し継続的に商品・サービスを提供できなければ、市場で生き残っていくことは難しいでしょう。

常にリサーチと検証を行い、「自社がどの程度PMFの実現に近づけているか」を把握しておくことが大切です。

この検証により、自社の商品・サービスがマッチする新しい市場が見えてくるかもしれません。


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PMFの代表的な検証方法

PMF実現の過程では、商品やサービスが適切な市場に供給されているかを検証しなければなりません。ここでは役立つ検証手法の例を3つご紹介します。

新しい市場開拓のためにも、常に最新の状況を捉え、PMFを実現し続けることは非常に有効です。

どれかひとつを行うのではなく、複数の検証を行い、さまざまな角度から調査することがPMFの実現に効果的です。

  • Product/Market Fit Survey
  • NPS(ネットプロモータースコア)
  • リテンションカーブ

PMFの検証方法をより詳しく知りたい方はこちらの記事へ

Product/Market Fit Survey

グルーピングしたユーザーに「この商品(サービス)が利用できなくなったらどう感じますか?」という質問を投げかけ、回答の割合から自社の状況を把握するという先行指標調査の方法であり、PMFを定量的に測定するための手法です。

「1.とても残念 2.やや残念 3.残念と思わない 4.該当しない(既に別のものを使っている)」のような4択で回答欄を設けて、「とても残念に思う」という回答が40%以上を占めた場合はPMFを実現していると判断します。

NPS(ネットプロモータースコア)

ユーザーに「あなたはこの商品(サービス)を家族や友人に勧めますか?」という質問を投げかけ、勧めたい度合いを0~10の11段階で評価してもらう方法です。

「9、10:推奨者」の割合から「0~6:批判者」の割合を引いた数字をNPSのスコアとします。

この数値が高いほど売上が安定していると判断します。

リテンションカーブ

「リテンション」とは、保持・維持といった意味です。 

人事で使う場合は「人材の確保」、マーケティングで使われる場合は「既存顧客維持」といった意味で使用されます。

このリテンションの測定を行うグラフがリテンションカーブです。

縦軸に顧客のリテンション(維持)率、横軸にリリースからの期間を設定したグラフを作成し、商品・サービスがどれだけ顧客に継続的に利用されているかを評価します。

PMF達成による成功事例5選

PMFを通して新規事業事例での成功体験

PMFの達成による成功事例を5つご紹介します。

リリースした商品がまったく売れなかったり、解約率が高過ぎたり、失敗の原因には「顧客と向き合うことができなかったから」というケースがよくあります。

ここでご紹介する5社の事例は、顧客のニーズをヒアリングやアンケートを通して受け止め、プロダクトに反映し、PMFの達成に成功した実例となっています。

それぞれのPMF達成へのポイントが見えてくるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。

タイミー

株式会社タイミーは、スキマバイト募集サービスを提供している会社です。

提供サービス「タイミー」のPMF達成までの特徴は、「PMFを達成できているかどうかはグラデーションがかかっている」という考え方のもと、無限ループでPMFを続けて事業拡大を実現した点です。

「PMFを達成しているかも?」という不確定な期間が長く続き、その後「達成した」といえる時期が来る、さらに次の目標を設定して新たに次のPMFの達成を目指す、というように、常にPMFし続けている環境にあったのが成功の大きなポイントでしょう。

またコロナ禍の影響で恒常的に人材を雇用するのが難しい環境も重なり、スポットで入るというタイミーのサービスはユーザーや市場のニーズにフィットしたのではないでしょうか。

URL : https://timee.co.jp/

SmartHR

株式会社SmartHRは、人事・労務の業務のペーパーレス化やデータ管理を行うクラウドソフト「クラウド人事労務ソフト」を提供する会社です。

開発当初はスタートアップやIT企業をターゲットにして速やかにPMFを達成しました。

しかしSmartHRはさらに別方向に舵を切って的を絞り、飲食店や小売店にターゲットを発見、アプローチ先を変えたことでさらに成長を遂げました。

顧客のニーズに適合する市場を見つけてプロダクト開発を繰り返したことで、売上が一気に増加し、現在は4年連続シェアNo.1のクラウド人事労務ソフトを達成するまでに成長しています。

URL : https://smarthr.jp/

コドモン

株式会社コドモンは保育業務支援システム「CoDMON(コドモン)」を運営する会社です。

元々はWebシステムの企画やデザインを行っていた会社ですが、保育施設からの要望をもとに、受託開発したシステムを発展させました。

システムリリース後もヒアリングや改善を繰り返し、PMFのプロセスを用いてシステムと市場ニーズの乖離を埋める作業を行ってきました。

現在では保育業務支援ツールとして複数の機能を実装し、導入施設数を大幅に拡大しています。

URL : https://www.codmon.com/

FLUX

株式会社FLUXは2018年に創業した、AIで顧客のオンライン収益を最大化するためのプロダクトを開発・提供しているベンチャー企業です。

この企業はPMFの期間、プロダクトの汎用化や組織拡大に着手せず、採算度外視で顧客満足度の向上に注力し、創業の時点でPSFは終了していると捉えていました。

その結果、顧客が既にプロダクトの存在を把握している環境が整い、問い合わせ時には顧客は導入前提で、営業に行った瞬間に発注が決まるという、紹介での導入が増えたことが成功の大きな特徴です。

営業した際の受注獲得率は50〜60%と飛躍的な向上を見せました。

URL : https://flux.jp/

サイカ

株式会社サイカは、2012年の設立から一貫してデータ分析ソリューションを提供してきた、データサイエンスカンパニーです。

この企業は当初は、売れてはいるものの解約が多く、苦戦を強いられていました。

そうした中、代表取締役CEOの平尾氏が、連続起業家のスティーブン・G・ブランク氏の書籍「アントレプレナーの教科書」のある記載に触発されて行動を起こしました。

その記載とは、「革新的な製品を作りながらも顧客のニーズに応えられずに倒産してしまうスタートアップがいくつも存在する」という部分です。

ここから「答えは顧客にある」という最も大切な気づきを得て、製品開発ではなく顧客開発に軸を移し、「顧客」への意識を最優先したことで成長を遂げました。

徹底的に顧客と向き合い、寄り添いつつ、成功するとされている既存モデルを鵜呑みにしないことが重要です。そしてPMFは終わることなく追い続けるものであると認識することが大切なのです。

URL:https://xica.net/

PMF達成で事業を成功に導きます

PMF達成が重要視される理由はお分かりいただけたでしょうか。
新規事業で成果を上げるにはPMFの達成が欠かせません。

現代市場は、さまざまなプロダクトで溢れ、その市況は日々変化しています。
PMFの検証を丁寧に行い、商品・サービスの需要をしっかりと理解しましょう。

PMFコンサルティングでは、これまでに培ってきたノウハウや実績、ネットワークを活用して事業成功に向けて伴走支援しています。

組織一丸となってプロダクトのPMFを達成しましょう。


マーケットに合わない事業をゼロにする
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