目次
新規事業におけるプレゼン資料作成の重要性
新規事業とプレゼンテーションは切っても切れない関係にあります。
例えば新規事業を立ち上げる最初の壁として、社内の承認を得るべく社内上層部に対するプレゼンを実施する必要があります。
そこでの承認を得て初めて、企業としての新規事業はスタートします。
しかし、プレゼンの機会はそこで終わりではありません。
定例報告会、資金調達など常にプレゼン機会はついて回ります。
ここで重要なことは、このプレゼンで相手から承認や理解を得られなかった場合、新規事業そのものが頓挫しかねないということです。
いかに相手に伝わるプレゼン資料を作成するかが新規事業の名案を分けるのです。
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プレゼンテーションの役割とは
そもそもプレゼンテーションの役割とは何でしょうか?
それは、聞き手にこちらの意図を理解してもらい、期待する行動をとってもらう事にあります。
- 新規事業の始動を承認してもらう
- 予算を組んでもらう
- 金融機関に投資をしてもらう
- チームメンバーに事業内容を理解し、役割通りに業務に取り組んでもらう
これらは全て、プレゼン後に聞き手に期待する行動になります。
プレゼンの成否は、相手に行動を起こさせることができたか否かにかかっていると言っても過言ではありません。
つまり、「聞き手に理解してもらえなかった」「期待する行動を得られなかった」はプレゼン失敗とも言えるのです。
しかし残念なことに、伝わらないプレゼンが世の中には数多く存在します。
ここからは、その原因を考えていきたいと思います。
なぜ伝わらないプレゼン資料が生まれてしまうのか
伝わらないプレゼンは大体の場合、資料作りの段階から失敗しています。
確かにしゃべる力、デリバリーは大事なのですが、プレゼン資料の良し悪しの方がよりクリティカルに重要です。
にもかかわらず、なぜ聞き手に伝わらないプレゼン資料が生まれてしまうのでしょうか。
端的に言えば、「聞き手をわかっていない」に尽きます。
あらゆるプレゼンは聞き手ありきです。
プレゼン資料もまた、聞き手のために作る必要があります。
例えば、上層部にもDXやメタバースのことがよくわからない人はたくさんいます。
そこを履き違えてしまうと、独りよがりで伝わらないプレゼン資料が生まれてしまいます。
具体的に何に気をつけたら良いのか、NG例を見ながら考えていきましょう。
新規事業のプレゼン資料作成でよくあるNG例
新規事業のプレゼン資料でよくある失敗を見ていきましょう。
今後資料作成にあたる方は、以下のポイントに気を付けてみると良いかもしれません。
情報過多 or 過小で論点がわからない
あらゆるプレゼンは聞き手に対して、こちらが意図するメッセージを届け、こちらが期待する行動を起こしてもらうことに意味があります。
しかし、その論点が定まっていない場合、もしくは理解してもらえなかった場合、聞き手からは「で、何が言いたいの?」とツッコミが入ります(もしくはスルーされて終わります)。
自分と相手が同じレベルでプレゼン内容や背景ストーリーを理解していると思ったら大間違いです。
情報過多の場合
アイデアや熱意など、書きたい事が多すぎるあまり、必要以上に書き込んでしまうパターンです。
情報の網羅性や保険に走り、不必要な情報まで書き込んでしまう例もこちらに該当します。
パワポのスライド上の情報が多いと、聞き手がどの情報にフォーカスしたら良いかわからなくなってしまいます。
基本は1スライド1メッセージの原則に従うなど、簡潔ば書き方で仕上げていきましょう。
情報過小の場合
簡潔にするあまり、情報が過小になってしまい何が言いたいかわからないということも起こります。
聞き手に伝わるプレゼン資料を作成するために、必要な情報は最低限盛り込む必要があるのです。
この情報の取捨選択をクリティカルに行えるかどうかが、プレゼン資料の価値を分けます。
視認性が低い
パワポのスライドは聞き手にとって見やすい、わかりやすいものでなければいけません。
以下のような点は視認性を下げる要因になるので注意しましょう。
- スライド上に視線がフックするポイントがない
- フォントが小さすぎる
- 行間が詰まっている
- アニメーションを多用する
新規事業用のプレゼンで押さえるべきポイント
ここからは改めて、どうすれば相手に伝わるプレゼン資料を作れるのか見ていきましょう。
要点を押さえることができれば、誰でもわかりやすいプレゼン資料を作ることができます。
聞き手のニーズに焦点を合わせる
新規事業に関するプレゼンでは、誰しもが何らかの立場で意図を持って場に参加しています。
プレゼンターは聞き手それぞれの参加意図を理解し、そのニーズを満たすプレゼンをすることが求められます。
これは何のためのプレゼンか、相手は何のためにここに来ているのか考えましょう。
そうすることで、自ずと伝えるべきメッセージは決まってきます。
アクションを期待するターゲットに狙いを定め、相手が求める情報の落とし込みを意識しましょう。
相手の知りたい情報を簡潔に盛り込むことで、理解が促進され、期待する行動を実行してもらえる確率が高まります。
1スライド・1メッセージ
パワーポイントのスライド作成における原則の1つです。
1つのスライドに複数のメッセージがあると、意図する情報が正確に伝わらないリスクが生じます。
また、相手に伝わる表現を意識するという点ではタイトルも重要です。
以下のタイトル例で考えてみましょう。
- 「2022年12月に行った施策について」→施策についての何?となる
- 「2022年12月に行った施策まとめ」→ああ、まとまっているのね、となる
たった3文字の違いですが、相手の思考を絞ることができ、話を聞くことへの負荷が下がります。
こうした僅かな違いを意識するだけで、プレゼン資料の精度が格段に上がり、事業が進んでいくプレゼンとなるのです。
視認性を上げる
プレゼン用のスライドで大切なことは、相手にとって見やすいスライドかどうかです。
使用するフォントや挿入する画像には統一感を持たせましょう。
最近は様々なフォントもありますが、メイリオやゴシック体など視覚的に見やすいものを使用するのがおすすめです。
そして、必要に応じて強調すべき箇所、目線を誘導したい箇所のフォントは大きくしたり、色を変えたりして資料にメリハリを出すと視認性は上がります。
ただし、フォントや強調方法などがスライドによってバラツキがあるとプレゼン資料全体にチグハグな印象が生まれてしまうので気を付けましょう。
例えば会社であれば、プレゼンで使用するフォーマットを事前にルール化しておくと便利です。
新規事業プレゼン資料に必要な項目
新規事業のプレゼンを作成する際、必ず落とし込みたい項目を見ていきましょう。
大きく2点にまとめることができます。
- 会社としてやるべき事業かどうか
- 事業化できる収益性はあるのか
会社としてやるべき事業かどうか
企業における新規事業立ち上げの場合、既に主軸となる事業があり、そこから派生する形で新たな事業が作られることが一般的です。
取り組む新規事業は会社の目指すビジョンやミッションに則したものなのか、競合と戦う上で優位性を得られる事業となるのかなど、会社としてやるべき事業なのかという視点が必ず入ります。
単純に新しい事業に取り組めば良いというわけではなく、なぜその新規事業にチャレンジする必要があるのか、課題や根拠をまとめながらストーリーを組み立てることが重要です。
その新規事業が会社の未来を明るくするものとわかれば、社内上層部からの承認もスムーズに得られるでしょう。
- その新規事業に、なぜ自社が取り組む必要があるのか
- その新規事業に取り組むことで、競合に対してどのような優位性を得られるのか
事業化できる収益性はあるのか
「新規事業を立ち上げたは良いものの、蓋を開けたら市場にニーズがなく売れなかった」
これが新規事業の撤退理由のトップに来る回答です。
ニッチな領域や競合がいない領域を攻めたはいいものの、事業化できるほどの市場規模がなく収益が見込めないということはザラにあります。
せっかく社内を説得したにもかかわらず、このような事態になってしまっては会社の業績だけでなく、自身の評価も下げることになってしまいます。
こうした事故を生まないためにも、事前の市場調査は徹底的に行い、顧客のニーズを含む様々な情報を定量的、定性的に収集、分析することが不可欠です。
客観的なデータを元に根拠のある仮説を立て、事業計画に落とし込むことが第一に必要です。
そして、その情報を聞き手となるターゲット(時にはステークホルダー)に簡潔かつ論理的に伝えることがわかりやすさにつながります。
- 市場調査を綿密に行い、収益性の根拠となるデータを定量的・定性的に取得する
- 事業化計画を中長期スパンで提示できるようにする
プレゼンテーションは準備が9割
プレゼンテーションの成否は準備にかかっています。
本番を迎えるまでに踏むべきプロセスを再確認しましょう。
プレゼン資料作成前の事前準備
プレゼン資料に落とし込むためのデータや情報を取りに行きます。
ターゲットとなる市場の状況、競合の動きも含め定量的、そして定性的に調べていきましょう。
マーケティング調査で得た情報は、プレゼン資料の作成シーンだけでなく、事業が始動した後も活用できる価値の高い資産です。
妥協せずにエビデンスを取りに行きましょう。
そしてここで準備した生の情報を、これから加工していく作業に入ります。
プレゼン資料の作成
ここから収集した情報をパワポのスライドに落とし込む作業が始まります。
「相手に何を伝え、何を期待するのか」を明確にしながら資料作成を進めましょう。
熱意を伝えるだけでは人は動きません。
あくまでも論理的に、新規事業に取り組むべき背景とその根拠を整理します。
そして何に挑戦し、どのようなリターンを得ていくのか、事業化による収益性、成長計画を簡潔に具体的に盛り込んでいきましょう。
また、こちらのプレゼンに対して、予想される質問に対する回答やデータも準備が必要です。
聞き手の立場になり、「こういう話し方をすれば、この切り返しが来るはず」と論点を整理し、問答を想定しながら校正を考えることで、より相手に伝わりやすい、思考の深まったプレゼンを作ることができます。
本番までにやるべきこと
資料が完成したら、次は最終段階、リハーサルです。
どれだけ完璧な資料を準備したとしても、その情報をデリバリーするのはプレゼンター自身です。
話し方、伝え方を間違えただけでせっかくの資料を台無しにしてしまう恐れもあります。
リハーサルはただしゃべる練習をするわけではありません。
聞き手を想定し、どう伝えるかを具体的かつ戦略的に練る時間です。
リハーサルで口や体を動かし、細かな仕草やトーン、テンポを体に染み込ませましょう。
これらを繰り返すことで、伝えたい要点を自分自身でも明確に捉えられるようになります。
本番では、聞き手に対して熱意を持ってメッセージを届けていきましょう。
当たり前のことですが、資料を丸読みするだけのプレゼンはおすすめしません。
なぜなら、相手の表情を見ることができないからです。
プレゼン中は相手の表情や動きを見ることで、こちらの意図が通じているか、同意をされているのか反対をされているのかを窺い知ることができます。
場合によっては、補足や解説を増やすことも柔軟にしなければなりません。
しゃべることだけに夢中になってしまっていては当然そこに力を割く余裕などありません。
だからこそ、事前にリハーサルを重ね、当日はしゃべる以外のことに自身のリソースを割く余力を作っておくことが非常に大切なのです。
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ターゲットとなるステークホルダーに行動を起こさせるプレゼンテーションを共に作り上げていきましょう。