PMFの正しい測り方とは?事業成功のための4ステップと5つの測定方法を紹介

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もし商品やサービスが売れ行き不振なら、プロモーションや品質以外に、PMFが確立できていないことが原因かもしれません。

PMFは、プロダクトが適切な市場で販売され、市場を満足させることができる製品を作り出せている状態です。特にスタートアップ企業では、市場で勝負に出る前にPMFの確立を考える必要があります。

なぜなら、PMFの観点には製品開発、ブランディング、マーケティング、カスタマーサクセスなど、ビジネスに必要な要素がすべて含まれているからです。

そして、事業のPMFが本当に達成されているかどうかは、PSF検証終了段階からリリースまでの4つのステップで測定していきます。PMFを達成するためには、市場や顧客、競合他社の分析、ユーザーフィードバックの取得など、多くの施策が必要です。

企業がPMFを達成することで、事業の成長率を一定以上に保ち、収益目標を超えることが可能です。
本記事ではPMFの基本知識や、PMFを効果的に測る方法について解説します。

PMFとは?

PMFとは「Product Market Fit」の略で、商品やサービスが市場に適合し、利用され続けている状態を指します。

PMFの考え方は、アメリカのソフトウェア開発者で投資家であるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏によって広められました。PMFを達成するためには、顧客の課題を解決するサービスを提供し、適切な市場を選択することが重要です。

とくにスタートアップビジネスの成功には、PMFの達成が欠かせません。現在のスタートアップでは、プロモーション活動を行う前にPMFを達成することが不可欠とされています。

新規事業立ち上げの成功率を高めるためには、良い商品やサービスを開発するよりも、適切なマーケットを見つけることが重要です。


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PMFを達成するための4ステップ

新規事業とは?を考え、最後成功に至るまでのステップ。これはPMFを測る上でも重要なポイントになります。

PMFを達成するためには、次の4つのフェーズが存在します。

  • PSF(Problem Solution Fit)
  • PMF(Product Market Fit)
  • GTM(Go To Market)
  • Growth

ここではPMFを達成するまでの手順について解説します。

PSF(Problem Solution Fit)

PSFとは「Problem Solution Fit」の略語で、商品やサービスが顧客が抱える問題や課題を解決する状態にあることを指します。

PSFを達成するためには、まず顧客が抱える課題を特定し、その解決策としてMVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)を作成します。

MVPを顧客に使用してもらい、課題が本当に解決できるかどうかを評価し、顧客からのフィードバックをもとにMVPを改良することでPSF達成を目指します。

PSFは「顧客が求める価値を提供することができるかどうか」を測定する重要な指標であり、PMFと並んでスタートアップにとって重要な概念です。

PSFの達成により、商品やサービスは顧客からの受容性が高まり、成功する可能性も高くなります。
逆を言えば、PSFを達成しない限りPMFに至ることはできません。

PMF(Product Market Fit)

PSFを達成した後は、PMFの状態を確認します。

PMFの基準は明確に定義されていませんが、そのマーケットにマッチする製品が存在し、適切な市場に存在することがPMFを表します。

たとえば、PMFの提唱者であるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏はPMFを次のように定義しています。

Product/market fit means being in a good market with a product that can satisfy that market.

(プロダクト・マーケット・フィットとは、良い市場にいて、その市場を満足させることができる製品であることを意味します)

※引用元:Pmarchive · The only thing that matters

この段階では、PSFを達成した製品が市場に適合しているかどうかを確認します。
PMFを達成するには、マーケットのニーズを理解し、製品やサービスに合わせる必要があります。

また、競合他社の製品との違いを見つけ出すことも重要です。

PMFを達成するためには、市場を分析し、UIやUXの改善、プロモーション戦略など、適切なアプローチを見つける必要があります。そしてPMFが達成されたら、そこから更に成長戦略を立ててビジネスを拡大することが大切です。

GTM(Go To Market)

GTMとは「Go To Market」の略語で、顧客にアプローチし、サービスや商品をどのように提供するかをまとめたマーケティング戦略を指します。

新しいサービスや商品を販売する場合、GTM戦略を立て、それに基づいて営業活動を実施します。
また、マーケティング活動全般の詳細を整理し、ロードマップを作成することで、顧客満足度を向上させていきます。

具体的には、次のようなマーケティング活動を基にロードマップを作成します。

  • 商品やサービスの選定
  • マーケットの選択
  • 競合他社の分析
  • 顧客ニーズの調査
  • ターゲットの選定
  • 自社商材の価格設定
  • 販路の確保
  • KPI、KGIの設計

Growth

Growthは「成長」という意味を持つ用語です。

マーケティングにおいて、Growthは市場の変化に対応して改善を続け、ビジネス成長を促進することを指します。PMFを達成した後、Growthフェーズでは既に発見したマーケットに合わせて製品を改善し、成長を目指します。

製品やサービスの改善、新たなマーケットへの進出、競合他社との差別化、顧客獲得などの戦略が用いられ、成長を促進するための施策が重要です。

また、顧客の維持やロイヤルティの向上も重視されます。

Growthフェーズでのマーケティング活動では、PMFを測定する方法やユーザーの満足度を示すNPS、顧客の定着率やリテンションなどの指標を用いて成果を測定し、さらなる成長を目指します。

こうした定量的・定性的な分析結果をもとに、より効果的なマーケティング戦略を策定し、Growthを加速していきます。

PMFの測り方

PMFの達成度合いがどうなのか、さまざまな測り方でチェックすることが必要です。

PMFはどの程度達成できたのかを正しく測定する必要があります。
PMFの主な測り方は次の通りです。

  • Sean Ellis Test(ユーザー調査)
  • 口コミ
  • NPS(Net Promoter Score)
  • エンゲージメント
  • リテンション

ここではPMFの測り方について、それぞれの特徴を解説します。

Sean Ellis Test(ユーザー調査)

Sean Ellis TestはDropboxやEventbriteのような初期のグロースを支援し、グロースハッカーという言葉を生み出したSean Ellis(ショーン・エリス)が作り出したテストです。

Sean Ellis TestはPMFの代表的な測り方で、別名「PMFスコア」とも呼ばれます。
Sean Ellis Testでユーザーに聞く質問は次のとおりです。

「もしこの製品が使えなくなったら、あなたはどう感じますか?」

回答は

  1. とても残念だ
  2. まあまあ残念だ
  3. 残念ではない
  4. もうこの製品を使っていない

の4つのセグメントに分けられます。

回答者のうち、40%以上が「1. とても残念だ」と回答した場合、PMFは合格水準です。
Sean Ellis Testを通じてPMFを数値化し、プロダクトを改善につなげます。

※「ショーンエリスのテスト」と和訳されて使われることもあります

口コミ

PMFの測り方として、自社プロダクトに関する口コミも参考になります。口コミは「自社のプロダクトに愛着を感じるファンが、自主的に他の人にプロダクトを勧めている」指標です。

定性的に口コミを測るために、アンケートをとってもいいかもしれませんが、TwitterやInstagramなどのSNS、あるいはAmazonや楽天などのECサイトで自社サービスを検索するだけでも、一定の口コミは調査できます。

さらに定量的に口コミを分析したい場合、バイラル係数(Viral Coefficient)を計測するケースもあります。バイラル係数は次の計算式で求められます。

バイラル係数=既存ユーザーが引き込んだ新ユーザー数÷既存ユーザー数

バイラル係数が1以上の状態はバイラルループと呼ばれ、自社プロダクトのファンが加速度的に増えるといわれています。

NPS(Net Promoter Score / ネットプロモータースコア)

NPSは「Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティを測定する指標です。

NPSは顧客が企業や製品にどの程度信頼や愛着を抱いているかを数値化し、顧客体験の改善に役立てられます。

欧米企業では3分の1以上が採用していると言われており、日本でも注目を集める指標です。
NPSで顧客に聞く質問は次のとおりです。

「この企業や製品を友人や同僚にどの程度勧めたいと思いますか?」

回答は0から10までの11段階で、0から6の回答者は「批判者」、7から8は「中立者」、9から10は「推奨者」のセグメントに分けられます。

推奨者の割合から批判者の割合を差し引いた数値がNPSのスコアとなります。
NPSのスコアが高いほどPMFのスコアも高まり、自社プロダクトのファンが多い状態です。

ただし、NPSは国によってユーザーの平均点数が大きく異なるため注意が必要です。

たとえば日本では、業界を問わず多くの素晴らしいサービスでもNPSの平均値はマイナスを記録するケースが一般的です。

一方、アメリカでは最もスコアの低いサービスですら-5、業界全体の平均値は40〜50程度です。
したがって、NPSは業界内の競合プロダクトや既存サービスと比較する必要があります。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、PMFにおいて顧客が実際に商品やサービスをどの程度利用しているかを測定したデータです。

エンゲージメント調査に利用する指標は、提供している製品によって異なります。
例えば「コンサルティングサービス=契約数」、「小売業=購入者数」がエンゲージメントの指標となります。

SNSではDAUやMAUなどの指標を基に、1日、1週間、1か月1年間など一定期間内でアクティブユーザー数の推移を測定することで、エンゲージメントの高さを分析可能です。

プロダクトの特性を考慮して、エンゲージメント指数としてどのような数字をどの頻度で測定するかを検討する必要があります。

リテンション

リテンションは、顧客の維持や保持を指します。

マーケティングにおいては、提供している製品が顧客に継続して使用されているかどうかを示す重要な指標です。

リテンション率を縦軸にし、製品リリースからの期間を横軸にとった「リテンションカーブ」で、製品やサービスがどの程度顧客に使われ続けているかを計測します。

リテンションカーブがある時期から横軸に平行になると、そのマーケットでプロダクトマーケットフィット(PMF)の状態にあることがわかります。

つまり、提供している製品やサービスが市場のニーズや要求にマッチしていることを示し、PMFを達成していることがわかります。

PMFの測り方に関する注意点

pmfの測り方を気をつけないと、思わぬ落とし穴にはまることがある。

PMFを実際に測る際には、次のような注意点があります。

  • PMFが測れない指標がある
  • BtoBビジネスはリードタイムが長く、PMF測定に時間がかかる

ここではPMF施策を検討中の企業に向けて、PMFの測り方に関する注意点を紹介します。

PMFが測れない指標がある

PMFは「ユーザーの課題が解決され満足されているか」を測定する指標です。

そのため、登録ユーザー数やページビュー、コンバージョン率など、広告やメディア露出によって生み出される数字は、PMFを測定するに有効なデータとはいえません。

資金調達額やバリュエーションなども、PMFを判断する上で役立つ指標とはなりません。

PMFを測定するためには、ユーザーがどのような課題や問題を抱えているか、またユーザーにとって本当に必要なプロダクトやサービスとは何かが重要です。

PMFを正しく測定するためには、本記事で紹介しているSean Ellis Testや口コミ、NPS、エンゲージメント、リテンションなどのデータを参照しましょう。

BtoBビジネスはリードタイムが長く、PMF測定に時間がかかる

PMFを測る際の課題は、測定に時間を要することです。
小売りなどのBtoCビジネスは短期間で結果が出るため、時間の心配はありません。

一方、BtoBのプロダクトやサービスは顧客の検討期間が長いため、データを元に製品の改善をするのに時間がかかります。

また、ホテルや季節限定品などのサービスも、半年や1年など長期間でデータを取得する必要があるため、PMFの測定に時間が必要です。

PMFを正しく測定して、スタートアップ事業を成長させる

本記事ではPMFの基本知識や、PMFを達成するための4ステップ、PMFの効果的な測り方について解説しました。とくにスタートアップ企業やSaaS企業にとって、PMFは非常に重要な指標です。

PMFを達成するには、まずPSFの状態に到達したうえで、MVBの構築や評価を実行する必要があります。また、PMFは1回達成したからといって終わりではありません。

世の中のニーズに合わせて、本当に顧客が満足するソリューションを実現するためにも、常にPDCAサイクルを回し続けましょう。


マーケットに合わない事業をゼロにする
マーケティングとセールスの壁を取り払う

日本初、顧客のPMF(プロダクトマーケットフィット)を行う会社。
PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。

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