日本初、顧客のPMFを行う会社

COLUMN 新規事業を生み出すピボットの重要性

PMFコンサルティング 2023.03.24

PMFコンサルティング取締役であり、ビズデブ(Business Development)の第一線にいる南風盛一郎にインタビューしてノウハウを学ぶこの企画。

今回は、新規事業とPMFを考える上で欠かすことのできないピボットの重要性について、話を聞いていきたいと思います。

事業もプロダクトもポジションが変わっていく

あらゆる事業は創業期から衰退期まで徐々にフェーズ移行していきます。

その移行速度は内的要因だけでなく、競合や社会の変化などの外的要因にも左右されるため、事業会社は常に新たな次の手を仕込んでおかなければ自然淘汰されてしまいます。

だからこそ、日々新たな事業を生み出す必要があるのです。

その前段階として、自社事業の現状を捉える作業が必要となりますが、その際は以下の視点を意識して見極めてみましょう。

市場の成長率やシェアに応じた4つのポジション

プロダクトや事業の現状を「市場成長率」「市場占有率」の高低で4つにポジショニングして把握するPPM(Product Portfolio Management)という手法があります。

  • 「市場成長率:高」&「市場占有率:低」=クエスチョンマーク(問題児)
  • 「市場成長率:高」&「市場占有率:高」=スター(花形)
  • 「市場成長率:低」&「市場占有率:高」=キャッシュ・カウ(金のなる木)
  • 「市場成長率:低」&「市場占有率:低」=ドッグ(負け犬)

多くの事業は「クエスチョンマーク」から始まり「スター」「キャッシュ・カウ」を経て「ドッグ」となります。

それぞれの持つ意味合いについても確認しておきましょう。

クエスチョンマーク(問題児)

「これから芽が出る事業」です。

市場成長率は高いが市場シェアは低く、これから伸びる余地の大きい段階を意味します。

市場にプロダクトを投入したばかりのタイミングはこのクエスチョンマークの状態であることが一般的です。

市場全体が成長基調のため競争は激しいものの、将来性のある事業にもなりやすいポジションです。

スター(花形)

「成長基調に乗り、まだまだ伸びる事業」です。

市場成長率、市場シェア共に高い状態が続いています。
売上も伸びており企業に利益をもたらしながらもまだ成長が期待できる段階です。

市場自体の競争は変わらず激しい状態のため、競合がいつ何を仕掛けてくるか油断禁物です。

事業の継続や拡大に向けた販促や投資も必要なことから、売上と同時に支出も大きなポジションと言えます。

キャッシュ・カウ(金のなる木)

「継続的にキャッシュを生み出している事業」です。

市場成長率は低いものの市場シェアが高いため、競争が鈍化しており安定的にお金を生み出すことができる段階になっています。

成長性に強い見込みはないものの、他社の参入リスクや競合の圧力が低いため利益効率も良く、頼り甲斐のあるポジションです。

しかし、市場の成長性が低いということは、衰退のタイムリミットが迫っているという意味にもなりますので、次のプロダクトの仕込みを考えなければなりません。

ドッグ(負け犬)

「衰退している事業」です。

市場成長率も低く、市場シェアも低い=撤退を考える段階になってしまっています。

残り少ないパイを奪い合うような状態になり、販促や投資を行ったところでその価値に見合う利益が見込みにくいポジションとなります。

事業ごとに早い遅いはありますが、この一連の流れはどのようなプロダクトにも起こり得るものです。

スターやキャッシュ・カウのポジションで稼いだ資金を用いて次の仕込みをすることが肝心ですが、その際に意識していただきたいのが「事業をピボットさせる」という考え方です。

事業をピボットさせるとは?

ピボット=「方針転換」「路線変更」

このピボットという考え方は、新規事業を生み出すという意味でも、売れない事業を改善するという意味でも非常に役立つ考え方です。

例えば私が担当しているPR TIMES様は上場企業ながら、ピボットのスピードがベンチャー企業レベルに迅速です。

売れないと分かった方法をすぐに止めたり、売り方を変えたり、とにかく変更・改善することへのスピード感が圧倒的です。

だからこそ、常に次の一手を考える仕込みがとても重要になります。

売り方や訴求の引き出しを常に準備し、ピボットする余地を作っておくからこそ、何かあった時、状態に合わせて必要なアクションを起こせるのです。

想定していたものの使わなかったという武器も出てきますが、それでよしです。

何かあればすぐにピボットできる状態にしておくことが大事だからです。

なので今回はPMFコンサルティングという立場として、あえて焦点を絞り、新規事業を生み出すピボットの重要性について話をしたいと思います。

新規事業=大胆なピボット込み

先に述べた通り、ビジネスは必ず衰退するので、次の仕込みが必要不可欠です。

既存事業が失速している時、新規事業が思うように売れない時、息を吹き返せるかどうかは迅速に事業をピボットできるかどうかにかかっています。

新規事業は0→1で生み出すものという意識があるかもしれません。

ですが、ある事業がダメだと思った時に、それをピボットして新たなビジネスを生み出すことも新規事業とカウントして良いと思います。

某広告の事例

以前私が見て面白いと思った広告があります。特定名は差し控えますが、とあるSaaSでした。

その広告は、なんと初見から半年後にサービス名が変わっていたんですね。

広告のテイストや内容に違いはあまり感じなかったのですが、サービス名が変わっており、「製品名を変えたか!」と素直に驚きました。

基本的に何かを変える時、変えやすいものと変えにくいものがあります。
一般論として、名前(製品名)を変えるというのはとても重たいアクションです。

だからこそ、彼らが売れないと判断し、クリエイティブを変えなければいけないとなった際に「名前を変えよう!」に至ったのはすごい決断をしたなと思いました。

ただ実際、サービス名が変わる前と後で印象が全く違いました。

訴求するポイントもクリアに感じられたことから、彼らが売りながら問題点を把握し、高速でピボットしたんだなと理解することができた事例となります。

このピボットのアクションはある意味新規事業に等しいと思っています。事業をピボットして切り口を変えること、リブランディングすることは新規事業と言っても過言ではありません。

ピボットしていく行為は新規事業開発とイコールの関係性と言えます。

つまり、プロダクトやサービスに対して、市場調査をしたりテストセールスをしたり、時には訴求を変えたりしてPMFを目指していく活動は、新規事業を生み出すことと同じインパクトがあるのです。

新規事業を生み出す=事業をピボットする

新規事業のPMF達成にはピボットはつきもの

事業をピボットする行為がなぜPMFの達成と関係あるのでしょうか?

それは、売れないという現状を打破する最も確度の高いアクションがピボットだからです。
PMFの達成は、そのプロダクトが市場に適合している状態でなければいけません。

つまり、どのようなプロダクトなら市場で売れるのか、最適解が見つかっている状態こそPMFなのです。

売れない事業をピボットして売れるようにする。これはまさにPMFのアクションでもあることから、新規事業、PMF、ピボットは三位一体の関係性を持っていると言えるのです。

PMFの重要性については別の記事で詳しく解説をしているのでそちらも参照してみてください。

【参照記事】
PMF(プロダクトマーケットフィット)が新規事業の成功に直結する理由

柔軟なピボットはPMFコンサルティングに

既存事業や新規事業をピボットすることが大切と言いましたが、これは簡単なようでとても難しいアクションです。

売れない時の打開策に失敗すると事業は詰みの状態となります。
だからこそ、ビズデブは事業を成功に導く最も確度の高い回答を出すことが求められます。

数々の事業のPMFを、そして事業のピボットを実現させてきたPMFコンサルティングでは、そうしたお客様のネガティブな状況を一変させることが可能です。

まずは一度、ご相談ください。


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