目次
新規事業の狙い目はどこにある?
多くの企業が日々新規事業に参入し、その競争が激化する中で、狙い目となるスポットはどういうところにあるのでしょうか?
新規事業に挑戦する誰もが、成功を夢見ています。しかし現実はそう優しいものではなく、収益化まで含め軌道に乗せることができる新規事業は全体の約7%と言われています。
つまり、ほとんどの企業が「よし、ここだ!」と思って狙いを定めた新規事業の領域は意外と的を外してしまっているものなのです。
マーケットに合わない事業をゼロにする
マーケティングとセールスの壁を取り払う
日本初、顧客のPMF(プロダクトマーケットフィット)を行う会社。
PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。
なぜ的を外した新規事業が生まれてしまうのか?
まずは撤退を余儀なくされた企業から、アンケートをもとに撤退理由を探ってみました。
すると、意外なワードがトップに上がりました。
市場にニーズがなかった
ニーズのないところにビジネスは機能しないというのは、結果から見れば当然です。
しかし多くの企業が、新規事業を立ち上げた際「これはいける!」と自信を持ってチャレンジをしたはずです。
にも関わらず、新規事業の計画はニーズがないという理由で失敗してしまったのです。
ではなぜ、市場にニーズがなかったのでしょうか?
市場にニーズがないという失敗をする理由
- 「これは良い」と自社内で盛り上がってそのままチャレンジ
- 「これはいけるだろう」と自分なりに判断してチャレンジ
上記のようなチャレンジは、単純に市場調査不足という言葉に尽きます。
狙う相手を見ずに矢を放ったところで、的中する訳がありません。
先ほども述べたように、ニーズのないところにビジネスは成り立ちません。
どれだけ素晴らしいと思った商品も、想いのこもった商品も、ユーザーのニーズがなければ売れることはありません。
ハイスペックの商品が売れるわけでも、安い商品が売れるわけでもありません。
顧客のニーズに応える商品が売れるのです。
つまり、狙うべきは「ニーズのある商品」です。
そして、そのニーズのある商品を作るためには、徹底的な市場調査が必要不可欠です。
ユーザーのニーズがどこにあるのか、どのような課題が存在しているのかを事前のマーケティング調査で把握することから事業戦略は始まります。
ここを蔑ろにしたり調査が甘かったりすると、思わぬ逆境に晒され、新規事業の成功確率は急降下することになるのです。
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そもそもなぜ企業は新規事業に挑戦するのか?
こうも成功確率が低いのに、なぜ企業は新規事業への取り組みを止めないのでしょうか?
それを一言で表現するなら、「企業が存続するため」という言葉に集約されます。
ビジネスのライフサイクルが短期化、高速化した現代社会において、変化のない事業はやがて時代や競合の波に飲まれてしまうでしょう。
現状維持はマイナス成長とほぼ同義であり、変化と成長を伴わない限り企業は衰退してしまいます。
その変化と成長を促すものこそが新規事業であり、企業の成長性や収益性の向上、社内人材の成長をもたらしてくれるのです。
新規事業が生まれやすいタイミング
とはいえ、新規事業は闇雲に挑戦してうまくいくものではありません。
狙うべきタイミングがあります。
チャレンジの潮目ともいうべき変化を見逃さないよう、日々ビジネス感度を高めておきましょう。
特に以下の2点は、大きく流れが変わるタイミングとなり得ます。
- 技術の変化
- ユーザーニーズの変化
技術の変化
新技術が次々と生み出される現代、技術革新とも呼ばれる事象は多くの業界に影響を与えています。
身近な例では、ITの力は様々な業界と関わることでDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れを加速させました。
当然多くの業界がその流れに乗るべく新たな対策、製品を考えて多くの新規事業が生まれています。
DXのような大々的な変化に限らず、業界内のマイナーチェンジだったとしてもその変化の芽から新たなビジネスチャンスが生まれることもあります。
例えば定期購買サービスも、IT技術と合わさることでハードルが下がり、サブスクリプションサービスと名前を変えて世間に浸透しています。
その他にも、自身の業界と全く関係がないと思った技術との掛け合わせで思わぬ新展開につながることもあるでしょう。
「まだ誰も気付いていない組み合わせはないか?」と技術の目線で狙い目を探すことも非常に有益な作業です。
ユーザーニーズの変化
時代の流れや社会の動向によって、人の気持ちは徐々に、時に急速に変化します。
通常であれば、時代の流れと同じく比較的緩やかにユーザーのニーズは移り変わります。
しかし、時に社会情勢は思わぬ急展開で世間を一変させてしまいます。
例えば、衝撃的な技術革新のようにポジティブな変化もあれば、昨今のコロナ禍や台風、地震などの自然災害、戦争などの人を害する事象もあります。
要因は様々ですが、人の心に良くも悪くも「ニーズ」を生み出しています。
また、インターネットの普及やSNSの広がりもユーザーニーズの変化に強く影響を及ぼしています。
誰でも素早く情報にアクセスできるようになったことが、世間や社会のニーズの変化速度に影響を与えたと言えるでしょう。
こうしたユーザーニーズの変化を機敏に察知した企業は、即座に手を打つことで新たな領域に参入したり、変化を商機の獲得に成功していました。
社会の情勢を広く知っておくこと、多方面に興味の感度を高めておくことはこうしたシーンで大いに役立つのです。
狙い目となる新規事業の方向性
続いて、狙い目となる新規事業のポイントを考えてみます。
先の段落で新規事業は技術や社会の変化のタイミングで生まれやすいと述べました。
では、いざ自社が新規事業に取り組むのであれば、どのようなところを狙えばよいのでしょうか?
下記の3つの点を意識すると狙うべき方向性が定まってきます。
1、競合性が低い
力の強い競合はそれだけで高い壁として立ちはだかります。
そんなところにぶつかっても、コストの無駄遣いとなりかねません。
ではどこを狙えばいいのか?
それは、競合他社がまだカバーできていない領域がターゲットになります。
どれだけ大きなマーケットであっても、完全に100%カバーできているということはほぼありません。
必ずビジネスチャンスとなり得る領域があるはずです。
ニッチかもしれませんが、まずは競合のいない(あるいは少ない)ブルーオーシャンを狙うようにしてみましょう。
注意点としては、「全く競合がいない=ニーズがない」恐れもあるので、必ず市場のマーケティング調査を行い、収益性や将来性を検討してください。
2、ビジネスモデルが模倣されにくい
他社が真似できない=強力な価値となります。
分かってはいても、なかなかそれが思いつかないということもありますが、そういう時は改めて自社の既存事業に目を向けてみましょう。
自社の強みは何か、他社と比較したときに何が武器となるのか。
コアコンピタンスの目線やSWOT分析なども活用し、改めて向き合ってみましょう。
その上で、新たな切り口がないか、別の何かと掛け合わせることができないか、と思考を深めてみると新たなアイデアが生まれることがあります。
そして、そのアイデアが刺さるであろう顧客やマーケットはどこにあるのか改めて調査をし、ターゲットに狙いを定めていきましょう。
ターゲットを絞ることで、競合を減らすことにもつながります。
昨今では、AIなどのデジタル技術と既存のアナログ事業を組み合わせることでシェアを拡大した事例も増えてきています。
新規事業アイデアはどう考える?成功事例に学ぶ考え方!も参考にしてみてください。
3、ユーザーニーズが高い
ニーズのないところで商売は成り立たないというのは今回何度も述べているところです。
だからこそ丁寧な市場調査により、ユーザーが今どのような課題を抱えているか洗い出すことが重要になります。
感覚による想像ではなく、アンケートやインタビューなどを通して得た生の声やデータに基づく確度の高い需要仮説を考えましょう。
現状で解決できていない問題を見つけ、その課題を解消する商品やサービスを開発することがビジネスとなるのです。
未だ解消できていない問題を発見できれば、それは商機となります。
新規事業の狙い目として、申し分ないでしょう。
ただし、仮に需要があると判断された場合でも、あまりに市場規模が狭いと収益化できずに失敗するリスクがあるので注意が必要です。
マーケットに合わない事業をゼロにする
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PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。
狙い目となる新規事業の見つけ方
具体的にどうすれば狙い目となる新規事業を見つけることができるのか。
狙い目を見つけるためのコツを4点ご紹介します。
意識的に情報のアンテナを広げる
情報化社会となり、誰もが簡単に欲しい情報にアクセスできる時代となりました。
メディア、SNS、広告、口コミ、世間話など身近に情報が溢れています。
しかしこうした情報は意識を向けない限り認識されることはありません。
人間の脳みそは意識しない限り、それを認知しないのです。
つまり、漠然と日々を過ごしていたり、何も考えていなかったりすると、当然ながら新規事業のアイデアが浮かぶことはありません。
とはいえ、身の回りの全てを意識するというのは無理な話です。
せめて自身の事業に関連すること、派生させられそうなことなど、興味を持って意識的に情報のアンテナを広げるようにしていきましょう。
そうすることで、身の回りの新たなビジネスチャンスや顧客のニーズに気づく情報感度を高めることにつながります。
異業種の情報も積極的にインプットする
新規事業では、既存事業が他業種との掛け合わせによって爆発的に成長、拡大することがあります。
こうした掛け合わせの発想は自身の事業とは関係ない分野の情報を持っていないと発想することはできません。
まずは情報をインプットすることから始めましょう。
身近なところでは、SNSや動画の投稿、SDGsの指標などスマートフォンからオンラインでアクセスできるサイトも多々あります。
また、異業種交流会やセミナーに参加することも方法の一つです。
一見関係ないと思うような情報も、ある時バチッと噛み合う瞬間が生まれるかもしれません。
余談ですが、こうした情報をインプットする際には、一次情報に触れることも大事にしましょう。
オンライン上にアップされた情報は、誰もが簡単に知り得る二次情報です。
新規事業に取り組むのであれば、自身が直接体験するなどして得た一次情報を活かす方が、独創性や意外性という点でも役立つことでしょう。
デジタル社会で情報が溢れているからこそ、アナログで情報を獲得することに特異な価値が生まれるのです。
低資金でチャレンジできる方法を使う
新規事業では、支援金や助成金を活用することでコストを抑えてチャレンジできる領域があります。
通常であれば大きく資金調達をしなければならないフェーズを、こうした補助を活用することで乗り越えられる場合があります。
他にも、クラウドファンディングを活用した新規事業への挑戦もよく見られるようになりました。
新規事業にチャレンジする際は、こうした面に着目し、今まで手を出したくても出せなかった新規領域を狙ってみても良いかもしれません。
国の施策に注目する
例えば、経済産業省では2018年よりDX推進ガイドラインやDX推進指標を提示し、企業のDX化を推進する動きを見せています。
2022年9月に出された産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策についての中でもこのように述べています。
あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められます。
日本全体で企業のデジタル化が求められており、それを国としても支援すると表明しているのです。
こうした国の施策に合わせて社内改造を実施したり、AIなどのデジタル技術を活かした新規事業に取り組んだりすると、国の支援を受けながら事業を進めることができます。
時代を先読みした新規事業という形ではありませんが、万が一周囲に遅れをとってしまった場合でも、追いつくことができれば、まだまだビジネスチャンスは広がり続けます。
また、こうしたデジタル技術を活用するパターンでは、新規事業やベンチャー起業を支援するアクセラレータープログラムが充実していますので、計画的に活用していきましょう。
考え続けることでビジネスの狙い目を逃さない
新規事業の狙い目はいつ訪れるか分かりません。
今回のコロナ禍のように、急激な変化を求められることもあれば、チャンスの瞬間が来るまで、1年、2年と、待ちの時間があるかもしれません。
しかし、訪れたビジネスチャンスを確実に掴むためには、常に考え続け、そのチャンスを逃さずに掴むことが大切です。
いつそのタイミングが訪れてもよいように準備していきましょう。
もしも社内のリソースが足りないという時には、外部のコンサルティング会社などのアクセラレーターを頼りましょう。
PMFコンサルティングでは新規事業支援のプロとして、新規事業の成功に貢献します。
まずはお気軽にご相談ください。