目次
なぜDXの必要性が謳われるようになったのか
コロナ禍を経て、変化の激しいVUCAと呼ばれる時代となりました。
これまでのビジネスモデルが突然機能しなくなる、新たなビジネスに淘汰されてしまう、国の施策等で未知の領域と連携を余儀なくされるなど、変化の予測が難しい時代に入ったとも言えます。
そうした中で企業が生き抜くためには、これまでの既存事業に固執するのではなく、その事業を軸にした新たな取り組み、他業界への参入などで事業を成長させることで、競合との差別化を図ることが必要となっています。
その過程において、様々なプロセスや業務のIT化はあらゆる業界でやらざるを得ない状況となっています。そのようなIT化=DX(デジタルトランスフォーメーション)に遅れを取ったばかりに事業が立ち行かなくなってしまうリスクもあることから、DXの必要性は年々高まっているのです。
※VUCA=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
マーケットに合わない事業をゼロにする
マーケティングとセールスの壁を取り払う
日本初、顧客のPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を行う会社。
PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。
そもそもDXとは
DX(Digital Transformation)=デジタルトランスフォーメーション
これでは英語をカタカナ読みしただけなので、経済産業省のDX推進ガイドラインで提唱されている定義を見てみましょう。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
要するに、「ITツールを活用しながら、企業が時代の変化に対応できるように、事業を変革していきましょう」ということです。
IoT(Internet of Things)=「モノ」をインターネットに接続する技術、もまたDXにおいては大変重要な立ち位置を示しています。
事業をどこまでデジタル化できるのか、どこまでを人がやるのか、その匙加減が企業によって判断に悩むポイントかもしれません。
国を挙げたDX推進施策
こうした企業のDX化を国も推進しています。例えば、経済産業省では2018年よりDX推進ガイドラインやDX推進指標を提示してDXを促しています。
2022年9月に出された産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策についての中でこのように述べています。
あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められます。
日本全体で企業のデジタル化が求められており、テクノロジーを活用した事業の革新を国としても支援すると表明しているのです。
こうした国の施策に合わせて社内改造を実施したり、AIなどのデジタル技術を活かした新規事業に取り組んだりすると、国の支援を受けながら事業を進めることができるため、取り組みを検討している企業はすぐに動き始めることをおすすめします。
仮に自社が周囲の企業に遅れを取っていたとしても、ここからDXを達成することができれば十分に追いつくことができ、ビジネスチャンスを広げることが可能です。
また、こうしたデジタル技術を活用するパターンでは、新規事業やベンチャー起業を支援するアクセラレータープログラムが充実していますので、計画的に活用していきましょう。
マーケットに合わない事業をゼロにする
マーケティングとセールスの壁を取り払う
日本初、顧客のPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を行う会社。
PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。
新規事業推進で抑えるべきポイント
新規事業の重要性はこれまでの記事でも述べてきましたが、いざ事業を推進するとした時、抑えるべき観点が2つあります。
顧客の課題を特定する
新規事業開発はそもそも顧客がどのような課題を抱えているか、それをどう解消するかが重要です。
まずは、市場の分析と仮説を元に顧客の課題や悩みを徹底的に洗い出しましょう。
収集した情報をベースにユーザーの課題解決となるサービスや事業のアイデアを組み立てます。この時、アイデア出しや情報の整理にビジネスのフレームワークを活用して体系的にまとめることがおすすめです。
新規事業開発に利用できるフレームワークは数多く存在します。
【参考記事】
新規事業アイデアの考え方!思考に便利なフレームワークまとめ
PMFの達成を目指す
PMF(Product Market Fit)とは、「カスタマー(顧客)のニーズを満たす製品(サービス)を提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態」を意味します。
PMFを達成できていれば、戦うフィールドができており、ビジネスを拡大していく展望も立ちます。
しかし一方で、PMF を未達成の状態では、効果的な対策を講じることは難しく、いくら広告や集客に力を入れても顧客は離脱してしまい、結局のところ、資金や人材など限られたリソースの無駄遣いになってしまいます。
そうした事態を防ぐためにも PMFを達成することとは新規事業の成功に必要不可欠な視点なのです。
PMFと新規事業の関係性について述べた記事も参考にしてみてください。
【参考記事】
PMF(プロダクトマーケットフィット)が新規事業の成功に直結する理由
新規事業にDXを取り入れるために
既存事業や新規事業の中にデジタル化できる仕事は数多く存在します。
しかし、ただ闇雲にDX化を推進してもうまくいきません。
その一つの要因として、既存のアナログ作業をデジタイゼーションした際の使い勝手にまで意識が及んでいない点が挙げられます。
「使い勝手=ユーザー体験(UX:User Experience)」の向上は、DXによるデジタイゼーションを進める中で最も意識すべきポイントと言えます。
例えば、これまで郵便番号から住所まで全て紙に手作業で記入していたものが、フォームに郵便番号を入力するだけで住所が自動入力されるようになったとしたら、これはとても便利&使い勝手が良い状態=UXが高い状態であると言えます。
こうした便利な機能を活用し、これまで「記入が面倒だから・・」と断り文句を言う人のネガティブを解消し、営業を促進するツールに変換することも活用法に考えることが可能です。
一方で、UX を無視したデジタル技術の導入は、ユーザーのストレスを高める原因となります。
先ほどの入力フォームの例で言えば、せっかくデジタル化したにも関わらず、入力項目数が変わらず、負荷も以前と同じであれば、多くの人が入力作業に苛立ちを覚えるでしょう。
つまり、UX という使い勝手の配慮をしない DXではユーザーの満足度を高めることはできず、競合他社との関係性においても優位になることはできないということです。
新規事業を成功させるために必要なプロセス
新規事業においてDXが重要な役割を果たすことはここまで述べた通りです。
ここでは改めて、新規事業をどのように推し進めればよいのかについて確認をしていきましょう。
自社における新規事業では、どのフェーズでDXを絡ませることができるか冷静に考えてみると良いでしょう。
事業として解決すべき課題の発見
何をするのかアイデアが浮かばないことには新規事業は始まりません。
新規事業として世の中のどのような不平、不満、不便や不足といった「不」の要素を解決するのか。
プロジェクトチームでアイデアを出すことから始めていきましょう。
身近な生活の課題から、世界的な課題のSDGsまで、至る所にヒントはあります。
【関連記事】
新規事業アイデアを生み出す!発想力の鍛え方
事業ドメインの策定
事業アイデアの切り口が見つかったら、次は事業を展開する領域(ドメイン)を検討しましょう。
事業ドメインを考える際は「物理的定義」と「機能的定義」を意識することで目指す姿を明確にしていきます。
それぞれの定義をデータに基づき具体性を持たせることで、事業イメージがわかりやすくなります。
使用を想定しているターゲットについても、細かくペルソナを定義することで需要を具体化してみましょう。
- 物理的定義=何を作りたいか
- 機能的定義=使用することでどうなってもらいたいか
特に重要なことは、「モノを売るのではなく、コトを売ること」を意識することです。
市場性と事業性の検証
取り組みたい事業、そしてその領域に市場性や事業性があるのか検証します。
どれだけ画期的なアイデアや事業でも、ニーズがない限り収益を上げるビジネスにはなりません。
また、ニーズがあったとしても、採算が取れないほどニッチな領域では事業が継続しません。
綿密に市場調査をし、市場性や事業性の有無を分析して見極めることが必要です。
顕在的なニーズ、潜在的なニーズと調査や検討を重ねた結果、事業を立ち上げない方がいいパターンもあります。
下記のような場合は方針転換することを推奨します。
- 顧客ニーズはあるが競合が強すぎて勝てる見込みがない
- 顧客ニーズに応える商品を作ったが、ニッチすぎて市場が小さく顧客が少ない
- 素晴らしい商品を考えたと思ったが、市場にニーズがなく収益が見込めない
MVVの明確化
MVVとはMission、Vision、Valueの頭文字をとった略称です。
- Mission(ミッション):企業が社会に対して「なすべきこと」
- Vision(ビジョン):企業が目指す「あるべき姿」
- Value(バリュー):企業の構成員が「やるべきこと」
事業を通して成し遂げたい目標、目指す姿を明確化することで社内の意識統一を図り、チームを適切な方向へ導く指標となります。MVVが明確になることで、やるべきこと、避けるべきことの規範が示され、統率がとりやすい環境となります。
また、行動規範が明確化されることで、トラブル発生時にも迷わず対処できるようになるメリットもあります。
組織が大きくなるほど、意識の全体共有は難しくなるため、MVVを適切に設定することでスムーズな事業運営に繋げることが可能になります。
活動環境の整備
事業を動かすためにはヒト・モノ・カネといったリソースが必要不可欠です。
プロジェクトの実行にヒトはどのくらい必要なのか、どのようなモノが必要なのか、カネはどれくらいかかるのか。
必要な人材の質、スキルはどのようなものがあるのか。足りないリソースは外部から調達する必要があります。これから活動するにあたって、支障のない環境を整えましょう。
必要に応じてアクセラレーターの活用も視野に入れておき、柔軟に対応できるように準備を進めます。特に人材やスキルの補填に関しては、外部のコンサルティング会社を活用してノウハウを得ることも効果的です。
行動計画の立案
「いつ」「誰が」「何をするか」のビジネスプランを策定します。
これまでの調査データや事業ドメイン、MVVをベースに具体的かつ現実的なプランを構想していきましょう。
ビジネスプランを考える際、つい「あれもやりたい、これもやりたい」と思考が分散しがちです。
まずは、目指すべき目標・ゴールを決定し、そこから逆算してプロセスを構築していきましょう。
新規事業を最短距離で立ち上げるためには、まず何よりも段取りが重要です。
事前に必要な業務を洗い出すことで、誰がいつまでに対応するのかタスクを管理しながらプロジェクトを進行し、無用なトラブルやリスクを避けましょう。
PMFコンサルティングで効果的なDXを
新規事業創出に際して、どのようにデジタルトランスフォーメーションを実現するか、どの部分に活用するかはとても重要な問題です。
DXを上手に活用すれば事業に大きなイノベーションを生み出すものの、一つ使い方を間違えると何の改善にも、効率化にもならない無駄へと早変わりします。
PMFコンサルティングはお客様に伴走し、事業にイノベーションを起こせるプロダクト開発をサポートします。
事業に革新を起こすDXを実現し、お客様にとって価値ある未来を捉える新規事業を生み出すことを目指していきましょう。
マーケットに合わない事業をゼロにする
マーケティングとセールスの壁を取り払う
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PMFコンサルティングで市場にマッチした新記事業を立ち上げる。