新規事業を失敗で終わらせない!事例から考える失敗と検証の違い

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新規事業における失敗とは?

新規事業の界隈では、「多産多死」という言葉があるように、企画された新規事業の多くが目標を達成できずに事業撤退を余儀なくされています。

しかし、上記の多死の中には2パターンが存在します。

  • 「検証に伴う一時的なエラー」
  • 「撤退による完全な諦め」

これらを同じものと認識してしまうのは新規事業を考える上でとても危険です。
そもそも成功とは試行錯誤の検証の先にあるもの、要するに結果です。

つまり、成功に至るまでのプロセスには数限りない仮説の検証が存在します。

一方でその検証は、断片的に見ると本来目指すべきゴールは達成しておらず、外からは「新規事業失敗」と認識されることが多々あります。

実際のところ、本当に新規事業の成功を目指すのであれば、一時的なエラーで諦めることなく、成功に至るまで検証と改善を繰り返し続けることが必要です。

つまり新規事業において、検証による一時的な停滞やエラーは失敗ではないのです。
トライアンドエラーを続ける過程で、エラーのまま終わってしまうことが新規事業の失敗なのです。


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新規事業に失敗はつきもの?

新規事業のほとんどが失敗するが、突破するものもある

とはいえ、実際の状況を見ると、新規事業の90%以上が成功に至ることができていません。

なぜ多くの新規事業は失敗してしまうのでしょうか?

その原因を細かく見極めていきましょう。

新規事業の失敗を招く要因とは

新規事業が失敗する理由は非常にシンプルです。
それは、検証の方法を間違えているということに尽きます。

先ほど、検証を続ける先に成功が待っていると書きましたが、それは正しい検証アプローチを行なっている場合に限ります。

残念ながら、やり方を間違えた検証の先に待っているのは失敗なのです。
では誤った検証はどのように生まれてしまうのか、それぞれ要素を分解しながら把握してきましょう。

ニーズの見極めを間違えている

自社の熱意と技術を結集し、競合他社のいずれにも勝る最高の新製品ができたとします。
さて、果たしてその製品は売れるでしょうか?

結論を言えば、売れるかもしれませんし、売れないかもしれません。

ではその境目は何か?

それは、顧客のニーズに沿っているか否かということです。
どれだけ素晴らしい製品でも、そこに顧客ニーズがなければ売れることはありません。

売れる製品というのは、素晴らしい革新的な機能を持った製品ではなく、顧客が必要とする機能を持った製品です。

つまり、顧客が解消したい課題を解決する製品が求められているのです。

身近な例では、家電を買う際に「うーん、便利っぽいけどここまでの機能はいらないかな」とか「これだけ費用かけるならこの機能が欲しいな」とか考えたことが誰しも少なからずあるはずです。

このギャップこそがニーズのズレにあたります。

顧客ニーズの調査を蔑ろにしてしまうと、そもそもニーズがなくて製品が売れない、ニーズがズレていて売れないという事故を引き起こしかねないのです。

仮説の検証スピードが遅い

新規事業に取り組むのは競合他社も同じであり、社会情勢やニーズも日々変化しています。
そうした中で、検証のスピード不足は命取りとなります。

ある分野に対して活路を見出した時、競合他社も同じくそのチャンスに気付いていると考えた方がリスク意識としては良いでしょう。

そこからは、大企業も中小もベンチャーもスタートアップも関係ありません。
どこが先に顧客の課題を解決する力を持った製品を世に出せるかが勝負となります。

大企業によくあるケースとして、社内プロセスに時間を取られ、結果的に機動力の高いスタートアップ企業に抜かれてしまうというパターンがあります。

また、検証が進まない内に市場ニーズが変化し、参入タイミングを逸してしまうパターンもあります。

これは昨今のコロナ禍における飲食業界や企業のテレワーク導入などのシーンで顕著に見られた傾向かと思います。

企業規模の大小を問わず、新規事業開発においては社内稟議や部署間の調整など、プロセスに時間を取られすぎないよう気をつけましょう。

重要なことは完璧な製品を出すことではなく、仮説を検証できる程度の製品を迅速に出すことです。
また、仮説検証のアクションでは、マンダラートなどのフレームワークを用いることも効果的です。

事業の資金が不足する

企業の新規事業では予算が割り当てられ、基本的にはその予算内で活動を推進します。
スタートアップ等では外部から資金調達をして活動費に充てることもあるでしょう。

当然、資金が足りなくなれば新規事業の運営は難しくなり徐々に弱体化、最終的には撤退を余儀なくされます。

その意味でも、事前に行うコスト計算の精度は大変重要です。

イレギュラーと思われる事象を、どれだけ想定内の事象にできるかが新規事業プロセス全体を考える上で、ビジネスセンスが問われる部分かもしれません。

ヒト・モノ・カネというリソースの問題の中でも、資金の不足は事業撤退に直結してしまいます。

昨今では企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やIT化への助成金など、地方自治体や国による資金サポートもあります。

準備、調達も含め、戦略的な事業設計ができるよう取り組みましょう。

撤退ラインの設定を誤る

検証を重ねる中で、事業がマイナス方向に進むことがあります。
そうした際、どこまで損失を出したら撤退判断を下すか、必ず撤退ラインを定めておきましょう。

事業を動かし始めてから撤退ラインを考えると、どうしてもサンクコストバイアスが働いてしまい、これまでに投資したリソースが脳裏にチラつき客観的な判断を鈍らせます。

新規事業においての最悪手が、新規事業を止めたり撤退させたりするタイミングを逃すことです。

「損失がこのラインを割り込んだらスパッと止める」この意思決定ができないばかりに、ズルズルと無益な検証を重ねてしまい多大な損失を出してしまうのです。

筋が悪いと思ったら即座に改善、修正、もしくは方針転換や撤退をする。
その判断を下すために、検証過程での撤退ラインを事前に、明確に、定めておく必要があります。


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新規事業で撤退を余儀なくされた失敗事例

新規事業を進める中で業績が悪化し、撤退をしなければならなくなった

過去実際に撤退を余儀なくされた失敗事例にはどのようなものがあるのでしょうか。

具体的な事例を元にその要因を考えてみましょう。

【事例1】ファーストリテイリング

2002年に食品直接販売事業のエフアール・フーズを立ち上げ、生鮮野菜等の農産物の生産・販売事業「SKIP」を開始。

実店舗9拠点とオンラインでの販売をスタートした。

しかし、獲得した顧客層のズレ、度重なる欠品による不便さなどから売上の低迷、顧客離れが進行。
開始から1年半で26億円の赤字となり、2004年2月末までに全店舗閉店を決定。

取り組みから2年での事業撤退となった。

【事例2】メルカリ

2013年創業、フリマアプリの急成長メガベンチャー。
2014年にはアメリカ、2015年からはイギリスにも進出した。

しかし、イギリスでは2016年、2017年の売り上げはゼロ。
2018年に日本円で約43万円を計上したが、同年イギリスからの撤退を決定。

約10億3900万円の営業/経常損失となった。

【事例3】OYO LIFE

「インドの黒船が日本の不動産市場を変える」と言われ注目を集めたOYO LIFE。

2019年3月、事業開始の当初こそ急成長していくものの、同年11月に共同で事業を立ち上げたヤフーが経営から撤退。

その後も物件解約や稼働率の低迷、管理体制問題の露呈により不採算が続き、2021年に事業を撤退。
事業開始の2019年3月から2年での撤退となった。

【事例4】セブン& アイ・ホールディングス

2019年7月1日から開始したQRコード決済サービス「7pay」。
セキュリティ対策に不備があり、リリース初日から不正利用が相次いだ。

結果、被害者808人、被害総額3861万5473円、そして記者会見における代表の知識不足露呈による企業ブランドの毀損などの損害が発生。

同年9月30日に僅か3ヶ月でサービスが廃止された。


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新規事業で重要なことは、失敗しないことではない

新規事業の創出に失敗はつきものであり、勝率100%の新規事業など存在しません。

新規事業において重要なことは、失敗から学びを得て、それを次のアクションにどう繋げていくか、ノウハウを蓄積し、思考と行動を止めないことです。

前述の例を挙げると、ファーストリテイリング社のSKIPは失敗例と言えます。

ただし、この事例を一場面だけで捉えるのではなく、ファーストリテイリング社の事業全体の流れで見てみると印象がガラッと変わります。

SKIPの責任者だった柚木氏は、その後GU事業を任され現在も社長として事業成長を牽引しています。
最近のインタビューを見ても、事業失敗の教訓が現在のGU事業に活かされていることが伺えます。

また、ファーストリテイリング社の柳井氏の著書「一勝九敗」や「数えきれないほど失敗をしている」という発言からも、重要なことは失敗しないことではないと理解できます。

失敗した時に大事なこと

  • 撤退ラインに来たら素早く見切りをつけて損切りする
  • 失敗の要因を分析し、その教訓を次の事業の挑戦に活用する

失敗と言われた事業からの逆転

失敗で終わらずに検証を続けた結果の成功

一般的には失敗として認知された事業も、その後の企業の努力で売れる活路を見出したパターンもあります。

外からの「失敗事業だ」という声に屈することなく、市場へのリサーチをかけながら最適な顧客がどこにいるのか徹底的に模索した結果、新たな価値を創出することに成功したのです。

Google

2012年の試作機発表から大きな注目を集めたグーグルグラス。
メガネ型のウェアラブル端末としてAR業界への参入を目指しました。

しかし、実用シーンにおいて既存のスマートフォン以上の必要性を打ち出すことができなかったとされ、2015年には販売が一時中止となりました。

多くのメディアが失敗事業の事例として挙げていますが、2021年8月、グーグルグラスの法人用モデルの最新型が日本市場に向けて発売されました。

販売先を一般個人ではなく、主に製造や物流、設備の点検や保守などのフィールドサービスを提供する法人をターゲットに展開をさせています。

法人向けのソリューションとしてのグーグルグラス活用は、狙う市場を変えたことでその業界にイノベーションを起こし、新たな顧客ニーズを生み出すことに成功しました。

新規事業を成功させるために

これまで、企業の新規事業失敗の事例や成功の事例を見てきました。
やはり共通して重要なことは「顧客ニーズの見極め」にあります。

社内で熱意と技術を結集して作り上げたプロダクトは、どうすれば売れるのか?
この答えを導く手段として、まずはマーケティングの重要性が挙げられます。

そして次に、PMF(プロダクトマーケットフィット)の考え方を理解するとよいでしょう。

まずはマーケティング施策が肝になる

事業アイデアを考える時、戦略を練る時、必ずマーケティングが必要になります。
市場調査についても、3CやSWOTのようなフレームワークを用いながら情報を補完しましょう。

マーケティングに活用できるフレームワークはこちらの記事も参考にしてみてください。
【関連記事】
新規事業アイデアの考え方!思考に便利なフレームワークまとめ

PMF(プロダクトマーケットフィット)の考え方を理解する

PMFとはProduct Market Fit(プロダクトマーケットフィット)の略称です。

ソフトウェア開発者のマーク・アンドリーセンによって提唱され、現在ではベンチャーの起業や新規事業の立ち上げの際に多くの創業者や投資家に支持される言葉となりました。

  • Product:提供する製品やサービスが
  • Market:市場に
  • Fit:適合している

つまり、「顧客のニーズを満たす製品が、適切な市場で受け入れられている状態」を意味します。

これは基本的なビジネス運用の考え方ではありますが、新規事業を黒字化して利益を生み出し、収益を安定させながら軌道に乗せるための方法論として非常に重要な視点となります。

PMFに関する解説はこちらの記事を参考にしてください。

【関連記事】
PMF(プロダクトマーケットフィット)が新規事業の成功に直結する理由

PMFの重要性

PMF(プロダクトマーケットフィット)の考え方はシンプルに事業の成功に直結します。

特に新規事業においては、PMFを実現できなかったばかりに撤退を余儀なくされるパターンが全体の90%以上を占めているというのは序章で述べた通りです。

新規事業失敗の要因が誤った方向への検証だとした時、PMFの観点で仮説検証を進めることができれば、せっかくのアイデアや事業開発の努力を無駄にせずに済むかもしれません。

まずは手元の既存事業やプロダクトを元に、顧客ニーズに応えられる切り口を考え、自らの理想だけでなく顧客の声や市場ニーズの検証を冷静に実行することが、事業の継続、そしてPMFの達成につながるのです。

PMFコンサルティングでプロダクトを売れる領域に展開する

どれだけ素晴らしいプロダクトも、ニーズがなければ売れることはありません。

PMFコンサルティングでは、お客様のプロダクトがどうすれば売れるのか、その最適な市場を発掘し、顧客に刺さる売り方や切り口を共に考え抜きます。

勝ち筋を見つけることで事業の成功確率を高め、関わるメンバーのモチベーションを向上させながら伴走していきます。

自社のプロダクトに関するお悩みは、こちらからお気軽にご相談ください

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